KPI (Key Performance Indicators)とは重要業績評価指標のことで、組織目標が達成される前に、必然的に満たされるべき(目標に先行する)指標のうちで特に重要な指標を指します。
当社では、「見る」に加え、指標化により「計る」ことを業務改善における大切な基本技術と捉えています。なぜなら、「計れないものはコントロールできない」からです。
財務上の指標をKPIとして設定するだけではなく、業務プロセス上の中間成果をKPIとして指標化することで、日々、週毎、月毎といった短い時間軸で業務を評価しながら、適切にオペレーションをできるようになります。
業務をインプット/アウトプットから理解する
何らかの業務を行えば、その結果があります。
この業務に必要な要素をインプット、また業務の結果生じたものをアウトプットといいます
世の中にはさまざまな業務がありますが、そのインプット/アウトプットから大きく次の3つのタイプに分けることができます。
- モノを作り出す業務
- 情報を作り出す業務
- サービスを付加する業務
(1)の例として、材料から製品を作る製造業の加工業務や、食材から料理を作る調理師の調理業務などが挙げられます。
(2)の例として、アンケートの回答から表やグラフを作る事務の集計業務や、取材情報から新聞記事を作る記者の記事作成業務などが挙げられます。
(3)の例として、コンテナで搬入されてきた荷物を倉庫内に格納する倉庫業者の荷解き・格納業務や、製造物に検査というサービスを付加する検査業務などが挙げられます。
アウトプットとアウトカムを理解する
業務の結果生じたアウトプットはさらにアウトカムを引き出します。
例えば、アウトプットとアウトカムの関係は以下のようなものがあります。
- 信号機の増設(アウトプット) ⇒ 交通事故の減少(アウトカム)
- 適切な投薬(アウトプット) ⇒ 風邪が治る(アウトカム)
- 美味しい弁当(アウトプット) ⇒ リピート購買(アウトカム)
- 役立経営資料(アウトプット) ⇒ 適切な経営判断(アウトカム)
アウトプットはいずれも望ましいアウトカムを引き出すために、業務によって作り出されているわけです。
しかし、逆に捉えると、「アウトカムを直接コントロールできないので、アウトプットによって間接的にコントロールしている」と言えます。
コントロールが間接的であるため、アウトプットとアウトカムの因果関係の強さと、そのほかの影響を与える因子について正しく理解することが必要です。
例えば、(3)の「リピート購買」の決め手は「美味しい弁当(アウトプット)」よりも「家の近く」が強い影響を与えているかもしれません。
アウトプットとアウトカムによって業務を「計る」
望ましいアウトカムが最終目標である以上、そのアウトカムを計る必要があります。
しかし、アウトカムが環境や運など色々な因子から影響を受けるため、組織のパフォーマンスは一義的にはアウトプットによって計ります。
アウトプットを計る際には、
- 時間:インプットからアウトプットまでの時間
- 費用:インプットからアウトプットまでにかかる費用
- 品質:インプットを前提としたアウトプットの品質
に焦点を当て、計ります。
このようにKPIを財務指標だけと捉えるのではなく、業務上の指標として捉えることが業務改善には必須になります。